月山朝日観光協会々長の阿部幸一です。この度、「志田周子の生涯を銀幕に甦らせる会」の会長をお引き受けしました。しかし、ご存知のとおり、このプロジェクトは、多くの方々のご協力なしには進めていけないプロジェクトです。ぜひ、皆さんのご理解とご支援、ご協力をいただきますよう切にお願い申し上げます。
ご存知のとおり、志田先生は、無医村地域に貢献する女医という姿のみならず、
婦人会々長や村議会議員、町議会議員、また、歌人として優れた短歌を残しており、多分野の最前線で活躍した女性でした。現代で言えば、優れた女性活動のパイオニアでした。一方で、一人の女性として、家族や恋愛、地域との関わり等の中で葛藤しながらも前向きに生きていくという、より人間的な姿をも見せています。その生き方の意義を現代に問うことは、大変価値のあることであり、西川町の資源・宝の発掘、再認識にも通じていくことであると思います。
東北大震災以降、日本の社会や人々の心の有りようが問われる現代において、
志田先生の生涯自体が、地域の宝、町の宝、山形県の宝、ひいては現在の社会を照らす宝と思えてきます。また、混迷を深める社会の中で、地方の存続が問われている現在、地方から中央に向けて“地域の宝情報”を発信し、地方の活性化を図り、地方の存在感を強めていくことは大変有意義なことと考えています。その想いの下に、志田周子先生の生涯を銀幕に甦らせようとするプロジェクトが立ち上がったんだと改めて皆さんと確認させていただきたいと思います。
この映画化プロジェクトは、観光施策としてはもちろんのことですが、地域づくり型、町おこし型プロジェクトです。制作費の問題も今後出てきますが、“鉄は熱いうちに打て”という言葉もあるように、へたに間を置かず、一気に情熱を高めて、元気な活動を展開し、具体的な形にすることが大切と思います。そのためには、町内外を問わず、より多くの方々のご支援とご協力が欠かせません。そのネットワークが広がりつつある手応えを確かに感じつつあります。改めて、ぜひ、このプロジェクトが成功いたしますよう、より多くの方々にご参加いただきますことをお願い申し上げます。
「志田周子の生涯を銀幕に甦らせる会」会長
月山朝日観光協会長 阿部幸一
※順不同、敬称略
西川町は、昭和29年10月に西山村、川土居村、本道寺村、大井沢村の4か村が合併して誕生しました。
町名は、西山村、川土居村の両村が設置した西川中学校組合の名称に由来します
山形県のほぼ中央、県都山形市の西方32kmに位置しており、磐梯朝日国立公園の朝日連峰や月山とその支脈に囲まれています。
総面積の95%が山地で占められ、平地は町を流れる寒河江川沿いとその支流沿いにわずかに広がっており、可住地面積は13.12km(3.3%)しかなく、また、県内有数の豪雪地帯で、多い地区では5mを超える積雪があります。
町のシンボルでもある月山では春、夏スキーを楽しむことができ、毎年4月上旬から7月下旬までの間、約15万人のスキーヤーやスノーボーダーで賑わいを見せています。
自然豊かな西川町では、昭和の初期から地域でさまざまな取組みがありました。
大井沢村(現在の西川町大井沢)で地域医療に生涯をささげた志田周子女医の活躍。
戦後教育の新たな芽生えとして、昭和20年代後半から朝日連峰の麓にある大井沢小中学校で実践された「かもしか学園」の自然環境教育。
そして、1944年(昭和20年)から1948年(昭和24年)までにかけて西川町岩根沢に疎開した丸山薫と岩根沢地区の文芸教育のはじまり。
地域医療の確保が深刻な課題とされ、また、地球環境の保全に関わる意識の向上が叫ばれている現代において、かつての西川町の取り組みは地域資源として改めて見直し、地域振興やまちづくりとして、広く後世に伝えていく「地域の宝」といえるものです。